バレエ「白鳥の湖」は見どころだらけ!!【経験者が語る】

こんにちは。kinakomochiです。
皆さま、クラシックバレエと聞いてまず思い浮かぶ作品は何でしょうか?
白鳥の湖!!
きなこ(私)
自分で言ってどうする
こばたん(ツッコミ役)
多くの人は「白鳥の湖」を思い浮かべるのではないでしょうか。
ご存じの通り、「白鳥の湖」はとても有名なバレエ作品です。
でも「白鳥の湖」がどんな作品なのか、どこが見どころなのかなんて、バレエに触れたことがないとわかりませんよね…。
「白鳥の湖」はバレエを習ったことのある人なら誰もが憧れるような、「バレエの魅力」がこれでもかというほど詰まった作品なのです!見どころを知らないのは、もったいなさすぎます。
そこで本記事では、バレエ歴18年の私が「白鳥の湖」の見どころをたっぷりご紹介します!
ぜひ、最後までお楽しみください♪
もくじ
バレエ「白鳥の湖」は見どころだらけ!!【経験者が語る】
バレエ「白鳥の湖」の見どころを語るにあたり、ただ手あたり次第に語るにはあまりにだらだらしてしまいそうなので、今回はバレエを語るに欠かせない以下の4つの側面から語ろうと思います。
- 物語
- 衣装
- 音楽
- 踊り
どの側面にも「白鳥の湖」には魅力がたっぷり詰まっていますよ!
では、さっそく「物語」から見ていきましょう~♪
見どころ①ドラマチックな物語
バレエ「白鳥の湖」と言えば、なんといってもドラマチックな物語です!
手始めに、あらすじを見てみましょう。
悪魔ロットバルトの求婚を拒み、白鳥に変えられてしまったオデット姫。
誕生日パーティーを終えたジークフリート王子が湖にやってくると、白鳥たちがみるみる娘たちに変わっていく。その中でもひときわ美しいオデットに、王子は一目で恋に落ちる。オデットの呪いを解く方法は「永遠の愛」を誓ってもらうこと。王子は明日の宴にオデットに来るように伝え、オデットに求婚することを心に決める。
翌日の宴にて、オデットによく似た娘が現れると、王子はすぐに求婚し愛を誓ってしまう。
しかしその娘はオデットではなく、悪魔の娘オディールであった。
王子は間違いに気づくとすぐに湖に行き、オデットに許しを請う。2人は絶望し共に湖に身を投げ、来世で結ばれる。
こうやって見るとすごい話だな。
こばたん
・・・
きなこ
原作は悲しい終わり方になっていますが、現代のバレエでは最終場面で王子が悪魔を破り、オデットの呪いが解けて結ばれるという演出が多いです。
バレエの作品ではこの「呪い」はよく出てくるのですが、呪いがかかるのも解けるのも変化が大きいので見ていてとても面白いですね。
「白鳥の湖」での呪いの解き方は「永遠の愛を誓ってもらう」こと。愛で呪いを解くとは、ベタですがなんてロマンチックなのでしょうか…。
また、よくある恋愛ドラマのような、オデット姫を巡る王子vs悪魔の構図も結構ドラマチックですよね。今風にするなら、もしや悪魔を勝たせた方が需要あるのかもしれませんが…(こらこら)
もう一つ、白鳥の湖の物語として注目すべきところは「王子の失敗」です。
オデットの呪いが解かれるかもしれないと思った悪魔は自分の娘オディールをオデットに似せるのですが、見た目はそっくりでも中身はまるで違います。
オデットはとにかく静かで優雅で奥ゆかしい感じ、オディールは躍動感があり、活発で大胆なキャラクターです。
なんで見分けられないんじゃ!!信じられない!!
きなこ
まあまあ落ち着け・・・
こばたん
人は見た目で判断しちゃいけませんね…。特に愛する人であるならば。
見どころ②衣装のコントラスト
バレエはどの作品も衣装が華やかですが、「白鳥の湖」における衣装は大きく2種類あります。
1つは、白鳥や黒鳥、悪魔といった「自然」の部類の衣装。
もう1つは、王子や宴に招かれる客など「人間(貴族)」の衣装です。
テイストの異なる衣装の組み合わせが、素敵なコントラストを作っている場面がたくさんあります。
悪魔は自然じゃないんじゃ・・・
こばたん
あなたは黙ってなさい。
きなこ
王子×白鳥
引用:新国立劇場公式サイト
いつも不思議なのですが、どうして王子の貴族衣装とオデットの白鳥衣装がこんなに合うんですかね…。
真っ白な白鳥の衣装と、王子や城の住人達の煌びやかな貴族衣装に、目が潤います。
白鳥×黒鳥
引用:新国立劇場公式サイト
白鳥衣装と黒鳥衣装のコントラストも分かりやすいですね。
純粋無垢な印象のオデットと、妖艶で惑わすような印象のオディールがよく区別されています。
皆さんはどちらのタイプの女性がお好きですか?
私はオディール派!
きなこ
え
こばたん
貴族×民族
引用:ダンス・スクエア
第3幕の宴の場面では各国の招待客の踊りもあります。
スペイン、ナポリ、ハンガリー、ロシアなど、各国を象徴するような衣装が見られるのもとても楽しいですよ!
バレエ団の解釈によっては招待客を「悪魔の手下」としているところもあります。
その場合は、王宮の住民である貴族と招待客の衣装やメイクのテイストが異なっているので、注目してみてください♪
ちなみに、写真はロシアの踊り「ルースカヤ」です。
こちら、私も踊ったことがあるのですが、このような長いスカートの衣装、場合によってはとても重くてめちゃくちゃ踊りにくかったりします…(笑)
民族衣装にはこのような変わった衣装が多いので、普通に踊るのも結構大変なんです。
それを感じさせず、軽々と踊っているダンサーを見ると、それだけでさすがプロだなと感じますね。
見どころ③チャイコフスキーの音楽
バレエ「白鳥の湖」の見どころ3つ目は「音楽」です。
バレエには三大バレエというものがあります。「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「眠れる森の美女」です。
この3つの作品はどれもチャイコフスキー作曲のものです。チャイコフスキーの音楽はどれも高級感があって、どこかロマンチックで、繊細な印象があります。
引用:YouTube
上記の動画では、「情景」「ワルツ」「四羽の白鳥」「グランアダージオ」「ハンガリーの踊り」の曲が演奏されています。
私は王道ですが「情景」が好きですね。ハープの音色がとても心地よいです。
「白鳥の湖」は、音楽だけでもずっと聞いていられるほど素敵な曲ばかりなので、ぜひ作業用BGMなどにしてみてください♪
癒し効果も抜群なので、眠る前の音楽としても最適ですよ。
見どころ④王道バレエの魅力の詰まった踊りの数々
さて、おまたせしました!ここからは「踊り」のご紹介です。
1つ1つ、全部の踊りを紹介したいくらいなのですが、それだと全部で50曲くらいになってしまうので…さすがに多すぎますね。厳選して5つ、ご紹介します。
※完全に私の好みで選んでおりますので、あらかじめご了承ください…。
美しく揃ったコール・ド・バレエ
コール・ド・バレエとは、メインで踊る人(ソリスト)以外の大人数で構成された、いわゆる群舞です。
どうしても、真ん中で踊る人に目が行きがちですが、バレエの魅力はコール・ド・バレエに詰まっていると私は思います。
バレエ「白鳥の湖」でのコール・ド・バレエで印象的なのは、第2幕のオデット姫と王子が湖で最初に出会う場面です。
手、足、顔、目線までぴったり揃った白鳥たちによる群舞は、まるで本当の白鳥の群れのように見えます。
それに加えて、この白鳥たちももともと娘ですので、「王子を初めて見た時の怯え」「オデットを守りたいと思っているかのような行動」などの感情も見えてくるので不思議です。
舞台上でじっとしているだけでもかなり難しいのに、こんな踊りながら列も一糸乱さないコール・ド・バレエを見るたびに、毎回感動してしまいます。
コール・ド・バレエが美しいからこそ、主役が輝けるんですよ…!!
きなこ
たまにはいいこと言うやん
こばたん
1人2役の主役の演技
オデットとオディールは大抵の場合一人のダンサーが1人2役で演じます。
引用:Instagram
中村祥子さんのオデット。
オデットの時は、王子に寄り添うように、少し遠慮と恐怖が混ざったような踊り方をします。
つまり、リードするのは完全に王子。
オデットは、繊細で1つ1つのポーズが美しくて、自然と惹き込まれてしまうような感じ。
引用:Instagram
中村祥子さんのオディール。
一方、オディールの時は王子に寄り添うことは、まずないです。それどころか逆に王子を誘惑し、自分の魅力を大胆に見せつけるような踊り方をします。
リードするのはむしろオディール。
オディールはとにかくテクニカル要素重視です。32回転のフェッテは、圧巻ですね…!
目が覚めるような、惹かれちゃいけないんだけど惹かれざるを得ないような、危ない魅力を感じられます。
この正反対な性格のオデットとオディールを1回の公演の中で踊り分けるという、女優でもかなりハイレベルな演技をしているんですね…!もう、すごいです…!
ダンサーによって、オデットとオディールの踊り分け方が違うのもまた面白いですよ…♪
発表会の定番?!パ・ド・トロワ
引用:Instagram
続いてご紹介するのは、バレエ教室の発表会でもよく踊られている、第1幕のパ・ド・トロワです。
パ・ド・トロワとは、ロシア語で3人の踊りのことを指します。
白鳥の湖第1幕で踊られるパ・ド・トロワは王子の友人たちの踊りです。
とても有名な踊りで、バレエ団の中でも注目株のダンサーがよく配役されている印象があります。
Instagramに映っているのは、マリインスキー・バレエの永久メイさん。(向かって左側)
永久さんは、世界に名高いバレエ団の1つであるマリインスキー・バレエにて、日本人で初めて主役を務めたバレエ界の新星です!まさに、日本の宝。
また、白鳥の湖のパ・ド・トロワのやさしくてリズムのよい曲調が、私は大好きなんです…。
私も踊ってみたかったなぁ・・・
きなこ
まだチャンスあるよ。
こばたん
・・・
きなこ
王子に仕えるエンターテイナー、道化師
貴族たちに紛れて、一風変わったキャラクターがいますね?
こちらはその名の通り「道化師」です。
道化師には、かなりのテクニシャンが配役されることが多いです。
恐らく主役よりも動いている量は多いのではないかと思います。
跳んだり回ったり、目が回りそう…。
宮廷の貴族たちも、観客たちも、思いっきり楽しませてくれる存在です。
キャラクターとしての道化師は、宮廷で雇われているみんなの笑いもの。また、唯一主人(王子)に無礼な態度をとることを許されている存在です。
そのため、みんなが遠慮して言えないようなことを平気で王子に言うことができます。オディールが来た時に、唯一王子にだめだと忠告するのも、この道化師です。(でも王子は聞かなかったんですねぇ…。)
白鳥の湖にエンターテイメントというスパイスを与えてくれる「道化師」に、ぜひご注目ください♪
悪魔の手先?!スペインの踊り
第3幕にて登場する「スペインの踊り」も大好きな踊りの1つです。
スペインは白鳥の湖第3幕において、悪魔とオディールが登場したすぐ後に踊りを披露するため、招待客の中でも一番悪魔の手先っぽい振る舞いをする印象があります。(実際に悪魔側なのか否かはバレエ団の解釈に依ります。)
それまでの宴の平和で華やかなな雰囲気を、ちょっと怪しげな雰囲気に変える”キー”となる踊りです。
挑発的な目線に、思わず惹き込まれてしまいますよ…!
他にも、
- 悪魔ロットバルトの迫真の演技
- ぴったり揃った「四羽の白鳥」
- 優雅な花嫁候補たちの踊り
- オディール×王子のグラン・パ・ド・ドゥ(2人の踊り)
- 陽気な「ナポリの踊り」
…などなど、「白鳥の湖」にはハイライトとなる踊りがたくさんありますので、ぜひお気に入りの踊りを見つけてみてください♪
バレエ「白鳥の湖」を観る方法は?
バレエは本来劇場で楽しむものですが、このご時世そうもいきませんよね…。
でもご安心ください!
自宅にいながら鑑賞する方法もございます。
1.DVDで観る
バレエはDVD がとても充実しています。
日本だけでなく、世界のバレエ団が「白鳥の湖」のDVD を販売しておりますので、ぜひ気になるものがあれば自分へのご褒美にご購入ください♪
私の「白鳥の湖」のおすすめは、熊川哲也さんが主演を務める「K-Ballet Company」とザハロワさんがとにかく美しい「ボリショイ・バレエ」です。
2.地上波/BS/CSで観る
バレエをテレビ放映で観るチャンスもあります!
- 地上波(NHK,TBSなど)
- WOWOW
- クラシカジャパン
- スターチャンネル
- スカパー
- 4K/8K
直近ですと、2020年8月にNHK BS 8Kにて英国ロイヤルバレエ団の「白鳥の湖」が放映予定です。
気になる方はぜひチェックしてみてください…♪
3.YouTubeで観る
現代らしく、YouTubeでバレエを観ることもできます。
レコード会社「Warner Music Group」のクラシック部門公式チャンネルから観ることができるのは、キーロフ・バレエ(現マリインスキー・バレエ)の「白鳥の湖」です。
YouTubeならお金をかけず、気軽に楽しめますね!
みんな手足が化け物のように長くて(言い方)羨ましいです。
世界五大バレエ団の最高峰とも呼ばれるマリインスキー・バレエの魅力は、古典的なバレエの美しさを存分に観ることができるところだと個人的に思っています。バレエの本質的な魅力を感じたい方は必見です。
バレエ「白鳥の湖」は見どころだらけ!!【経験者が語る】 まとめ
ここまで、バレエ「白鳥の湖」の見どころをご紹介してきました。
まとめると以下のようになります。
- ドラマチックな物語
- 衣装のコントラスト
- チャイコフスキーの音楽
- 王道バレエの魅力が詰まった踊り
また、自宅でバレエ「白鳥の湖」を楽しみ方法もご紹介いたしました。
皆さまもぜひ、お休みの日のご褒美に「白鳥の湖」で少しだけ贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
バレエを含め、芸術をもっと学問的に見てみたい!という方は、書人咲村雛乃さんのこちらの記事が参考になりますよ!
また、バレエを観ながら、自分もこんな風に体をやわらかくしたいなぁ…なんて思った方は、ぜひ書人marieさんのこちらの記事もご覧ください♪
最後までお読みいただきありがとうございます。