現場叩き上げのSEOライター集団の情報発信サイト

「ジェンダー」はいつからある?フェミニズムとミサンドリーの違いは?

 
この記事を書いている人 - WRITER -
たまに絵も描く新人ライター。生き物とAIが好きな文系。 好きなことしかできないから本業ライター目指して突っ走るしかない。 筋肉と体力精神力と画力が欲しい。 同名でTwitterもやってます。

こんにちは、都戸佐呉です。

 

最近、ジェンダーに関する話題をよく見かけるようになりました。

 

私が就活を行なった頃はあまり見かけませんでしたが、

 

「本来の性別で就活をしたい」

「そもそも女性だけ化粧をして、歩きにくく足を傷めやすいヒール靴を履かなくてはいけないのはおかしい」

 

といった意見、およびそれらを改善しようとする動きがここ数年急速に広まっています。

 

また、今年の初めには女子高生がファミリーマートの「お母さん食堂」のネーミングについて「性的役割分担の固定化につながる」と抗議したことが話題となりました。

 

署名活動では7000筆以上集めたものの目標には結局届かず、またネット上での反発も大きかったようです。

 

こうした活動が盛んになっていく中、ズレた・暴走したフェミニズムも時々問題になります。フェミニズムのつもりが行き過ぎてもはやミサンドリー(男性嫌悪)と化してしまっている言論は、性差の是正どころかかえって男女平等を遠ざけてしまいかねません。

 

今回は、

  • 日本において、いつ頃からどのように性差が生まれていったのか
  • フェミニズムとミサンドリーの境界

について解説していきたいと思います。

 

日本における性差の変遷

昨年10~12月に国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で開催された『性差の日本史』展では、古代から現代にかけての日本における性差の歴史について学ぶことができました。

 

国立歴史民俗博物館「性差の日本史」https://www.rekihaku.ac.jp/outline/press/p201006/

「性差の日本史」図録販売ページ https://rekihakushop.shop-pro.jp

 

古墳時代初期ごろは、副葬品の内容や配置から軍事権への関わりには多少差があったとされるものの女性首長も珍しくなかったようです。例えば、卑弥呼などは有名ですよね。

 

平安時代ごろになると、朝廷の政務は男性が仕切って女性は御簾の内側の見えない存在とされるようになりましたが、(天皇のものも含め)系譜図においては男女の区別が見られず、また大祓や位階の授与など重要な儀式・イベントは性別で分けられることなく行われていました。

 

中世には北条政子や寿桂尼などが武家の家長として政治的に大きな力を持ち、鎌倉時代の女性は独立した財産を持って地頭職を与えられることも珍しくありませんでした。また、庶民でも家の統率や土地の売買の権利を有していたようです。

 

ところが戦国時代ごろになると、仏教の教えに含まれる「女人罪業観」が民衆の間に広まりはじめました。

 

そして近世以降になると政治の場だけでなく社会全体が男性中心に編制されるようになって、女性は一人の職業者としてみなされなくなっていきます。

 

寛政の改革での表彰者の名簿においても、男性は職業が併記されているのに対して女性は誰の妻・姉・妹か、ということが書かれているなど、古代と比べるとかなり性差が顕著になってきている様子が読み取れます。

 

明治に入ると「女性は家にあるべき」という風潮や働く女性への蔑視の傾向が強まっていき、明治22年に「皇位継承は男系」とすることが明文化されました。

 

また江戸時代には大奥に属する女性が政治的に重要な役割を果たすことがありましたが、明治に入ると政治に関する場から女性は徹底的に排除され、戦後に日本国憲法が施行されるまで選挙制度への参加もできませんでした。

 

現代日本のジェンダーギャップ

昨年、世界経済フォーラムによって発表された日本のジェンダーギャップ指数は0.652で、153ヶ国中121位でした。

(0=完全不平等、1=完全平等とする。1位のアイスランドは0.877)

 

算出方法の都合上、実態的には日本以上に不平等な国が日本より上位に入っているケースもあるようなのでこの順位が100%信頼できるというわけではありませんが、実際に日本の政治家に占める女性の割合が他の先進国と比べても極端に少ないなど、男女格差が強い感は否めません。

 

ジェンダーギャップを是正していくためには、「ガラスの天井」問題などの解決に加え、社会全体がフェミニズムと「ミサンドリー(男性嫌悪)」を正しく区別できるようになっていくことが大切です。

 

※ガラスの天井…資質や実績がある女性やマイノリティを、性別やマイノリティであることを理由に一定の職位以上に昇格させようとしない組織内の障壁。

 

フェミニズムとミサンドリーの境界

ここ数年、フェミニズムのつもりがやり過ぎてミサンドリー(男性嫌悪)や過剰な表現規制の推進活動になってしまっている例がたびたび見受けられます。

 

冒頭でも触れたように、こうした主張・活動は男性だけでなく社会全体において人々の自由な表現・経済活動等を妨げるとともに、本来のフェミニズムに対する誤解を招き、結果的にジェンダー格差の是正を遅らせてしまう可能性があります。

 

フェミニズム・男女同権主義とは

フェミニズムとは、女性解放思想およびそれに基づく社会運動の総称で、男女同権主義とも訳されます。

対置概念として挙げられるものにマスキュリズム(男性解放運動)があります。

 

マスキュリズムは元々男尊女卑の意味で使われる言葉でしたが、現在は男性差別の撤廃を目指す運動や思想を指す言葉であり、フェミニズム同様こちらも基本的に「万人の権利の平等化を目指す主義思想」です。

 

つまり、本来のフェミニズムとマスキュリズムが目指すものは両者とも「男女同権」です。もちろん、これらの思想・活動はじゅうぶんに両立・共存しうるものです。

 

ミサンドリー・ミソジニー

フェミニストを自称しながら、実際には女尊男卑を広めようとしている人が時々見受けられます。逆に、本来のフェミニズムを過剰に批判したり、危険思想であるかのように扱うなどして活動を縮小させようとする人も珍しくありません。

 

そうした性差別的な言動をしたり、男性あるいは女性を極端に嫌悪・排除しようとすることをミサンドリー(男性嫌悪)またはミソジニー(女性嫌悪)といいます。

 

はっきりそうであるという自覚を持っていればまだましな方で、自覚がなかったり履き違えたりしたままフェミニストを名乗ってミサンドリーの活動を行う人もいます。

 

フェミニズム=ミサンドリーと誤解されてしまうと多くの人の反発を招き、フェミニストやフェミニズム、あるいは関連するワードが出ただけで反射的に「女尊男卑を唱えるヤバい人」と認識する層も少なからず生じてきます。

 

するとその層の人々には主張の内容をまともに聞いてもらいにくくなり、ジェンダーギャップの解消を遠ざける、フェミニズムの妨害となる結果を招いてしまいかねないのです。

 

ミソジニーの人間は当然これを利用して自分の主張の正当性を訴えようとしますし、ミサンドリーをフェミニズムと混同した人が反発からミソジニーになってしまうパターンもあり、ミサンドリーは性差別を助長する、男女同権主義とは正反対の思想主義であるといえます。

 

どう区別するか?

こうした問題の多くは「男対女」の対立構図と誤解されたりすり替えられたりしてしまいがちですが、実際には性別は関係なく「ハラスメントや性犯罪等の加害者」と「その被害者」の問題です。

 

問題に対する批判や自分の意見が男女同権を目指す上で正しいのかよく分からない時は、関係者の性別を入れ替えて考えるなどすると分かりやすいかもしれません。

 

例えば、「女性だけが化粧やヒール必須で、従わないと就職や昇格において不利になる」、「男性が育児休暇をとると昇給・昇格しにくくなったり減給処分となったりする」などの問題は、性別を入れ替えてもやはりハラスメントであり、性差別です。

 

性別を逆にして考えるだけでなく、もっとシンプルに、言葉を丁寧に拾っていけば分かることもあります。

 

たとえば冒頭でも触れた「お母さん食堂」について、まず「食堂」という言葉は本来「住居内における食事をするための空間」という意味です。

 

しかし、実際のところ少なくとも現代日本においては(寮などは除いて)自分の家のリビングやダイニングを「食堂」と呼ぶ人は少数派で、多くの人は金銭の授受が発生する「大衆食堂」を思い浮かべるのではないでしょうか。

 

また寮の食堂にしても、寮費に含まれていたり給料から天引きされたりとお金を払って食べる場合がほとんどで、性格としては大衆食堂に近いと解釈できます。

すると「お母さん食堂」はむしろ「働く女性」のイメージになってきます。

 

料理人や板前と聞いた時に男性を思い浮かべる人が少なくないこと、料理の上手い女性には「いいお嫁さん(お母さん)になれるね」と言うのに男性には「お店ひらけるね」とわざわざ言葉を分けるような人も珍しくない現状を考えれば、「お母さん食堂」の名称が「性的役割分担の固定化」に繋がる心配はあまり要らなさそうだと分かります。

 

まとめ

日本の歴史においてもっとも男女差別が激しかったのは明治~昭和初期の頃で、それ以前は今以上に格差の少ない時期もありました。

 

男女で体のつくりに違いがあり、体格や嗜好にも差異が出る傾向がある以上、常に男女で同じ条件を課すと不公平になってしまう場合も多々あります。(下左のイラスト)

 

https://buzzap.jp/news/20141111-equity-vs-equality/ より)

 

本当の意味で公正(上右のイラスト)にするためにはどうすべきか、ということについて、社会全体でしっかり考えていきたいですね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事を書いている人 - WRITER -
たまに絵も描く新人ライター。生き物とAIが好きな文系。 好きなことしかできないから本業ライター目指して突っ走るしかない。 筋肉と体力精神力と画力が欲しい。 同名でTwitterもやってます。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright© 書人百花 , 2021 All Rights Reserved.