ピルの効果は?生理の辛さを和らげてくれるの?薬剤師が注意点も解説

こんにちは!
病気とは無縁!?元気いっぱいママライター、はなです♪
薬剤師を兼業して楽しいことを求めながらイキイキ生きています。
それは「低用量ピル」と出会ってから。
実際に飲んでみるまでは、月経周期によって「あ~ツラい・・・。女子ってツラい。」と言いながら、ひと月のうちの約半分を暗~く過ごしていました。
「ピル」というと、避妊薬のイメージが強いかもしれませんが、実際は月経痛の軽減や月経周期の改善のために使われることがほとんどです。
- 月経前のイライラ、眠気など(PMS)
- 月経周期の乱れ
- 月経痛がひどい
- 経血(出血)の量が多い
- ニキビがまたできた
こういった悩みをお持ちの女性は多いです。
読者様はお困りではありませんか?
私はPMS(月経前症候群)に悩み、医師に相談したのち、低用量ピルの服用を決めました。
Hana.t
「産後に体質が変わる」とよく聞いたことがありましたが、私の場合は産後からPMSの症状を強く感じるようになりました。
月経前は情緒不安定が当たり前で、日中に耐えられないくらいの眠気に襲われることもありました。
月経周期によるこういったトラブルを、ピルで解決することができるんです!
私も飲んでいる低用量ピルについて、効果から副作用、服用の注意点まで、詳しく解説していきますね。
読者様がピルを使用される際のお役に立てればと思います♪
もくじ
ピルって何?
ピルとは、主に「低用量ピル」のことを指します。
低用量=「ホルモンの含有量が少ない」ので、副作用の頻度が少ないという特徴があります。
副作用が少ないと聞くと安心できますよね。
低用量ピルは一般的に月経困難症や子宮内膜症の治療に使われています。
月経痛がひどい場合は月経困難症や子宮内膜症が疑われることもあります。
子宮内膜症の場合は不妊症の原因になるので、気になっている人は一度婦人科を受診されることをおススメします。
Hana.t
低用量ピルは毎日1錠ずつ飲み、女性ホルモンの分泌量を調節することで排卵を抑制するお薬です。
排卵を抑制するので、結果的に高い避妊効果が得られます。
日本では「体に良くない」というイメージが根強いためか、およそ3%の普及率にとどまっている事実があるのは確かです。
海外に目を向けてみると、例えばドイツでは15歳から45歳の女性の50%以上が低用量ピルを使用しています。
それくらい安全な薬として、欧米の先進国を中心に結構使われているんですよ。
低用量ピルを飲むことのメリット
低用量ピルを飲む選択をした場合に得られるメリットを挙げてみました。
- 月経前の不調が緩和される
- 月経痛から解放される
- 出血量を半分近く減らせる(貧血の改善につながる)
- 月経周期が安定化される(月経予定日が確実にわかる)
- 大人ニキビが改善される
- 子宮内膜症の進行を抑えられる(子宮内膜症は月経を重くしたり、不妊症の原因になったりする)
- 卵巣ガン、子宮体ガンの発症予防につながる(長期で飲んだ場合)
私は基本的に「薬は無駄に飲まない」と決めているのですが、これだけのメリットのある低用量ピルは飲んだ方がいいじゃん!と素直に思えました。
読者様が薬に頼りたくないと思われる気持ちもわかります。(私もそうでした)
でも我慢するのって、辛くありませんか?
私は、「飲まない」より「飲む」メリットのほうが大きかったので使っています。
生活習慣を見直してもダメなら、低用量ピルを選択肢に加えてみるのはアリだと思います。
低用量ピル服用の注意点
低用量ピルを飲むとなったときに、絶対に知っておいてほしい注意点を2つお伝えします。
ピル服用の注意点(1)
低用量ピルを飲まない人に比べると、血栓症のリスクが少し上がると言われています。
血栓症とは、血管の中に血のかたまりができる病気です。
<血栓症を発症する割合>
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※ピル服用中にふくらはぎの痛みや腫れ、頭痛や胸の痛みが現れた場合は救急医療機関を受診してください。(血栓症の初期症状)
病院で初めてピルを処方してもらうときには、採血をして血栓症になりやすい体質でないかの確認をされます。
副作用である血栓症を起こしやすいのは、ピルを飲み始めて1~3ヵ月目までで、たいてい喫煙歴のある方に見られることがわかっています。
なので、ピルの服用を始めたい場合は安全を考え、まずは禁煙することをおススメします。
ピル服用の注意点(2)
ピルは飲み忘れると月経が始まってしまう、という最大の弱点があります。
不正出血が誘発されてしまうんです。
ピルを飲み続けていれば始まるはずがなかった月経なので、例えば旅行のために周期を後ろにずらしたのに、飲み忘れが原因で旅行中に出血が起こった!なんてことがあれば残念すぎますよね。
旅行は非日常のことなので、いつも飲んでいる薬を忘れがち。
服用時間に合わせスマホでタイマーをかけておくなどして、飲み忘れには十分注意しましょう。
低用量ピルの副作用
低用量ピルは副作用が少ないというお話をしましたが、やはり「薬」なので副作用はゼロではありません。
ピルが原因で考えられる主な副作用は以下の通りです。
- 吐き気、食欲不振
- 頭痛
- 不正出血
- 胸の張り
- むくみ など
これら副作用は飲み始めに現れることが多いとされていて、ピルを飲み始めて1~2ヵ月目までに治まっていき、気にならなくなっていくことがほとんどです。
食欲が出ない・・・と副作用が続く場合の対処法
あまりありませんが、食欲不振の副作用が続く場合は、飲み方を確認してみてください。
読者様はいつのタイミングで低用量ピルを飲んでいますか?
低用量ピルは基本的に食前・食後どちらの服用でも問題ありません。
しかし、吐き気が気になる場合は、食後のタイミングで服用してください。
私は夕食後に飲んでいます。朝はバタバタするし、昼なら持ち歩く必要が出てくるので、夕食後がおススメです♪
Hana.t
それでも胃のムカムカが続く場合は、医師に相談してみてください。
すると吐き気止めの処方をしてもらえることもあります。
低用量ピル服用のタイミングで吐き気止めを同時に服用すると、その副作用が抑えられます。
あまり考えられませんが、吐き気以外に不調が続く場合にも、一人で悩まず、医師に相談してみてくださいね。
きっと良い解決策が見つかります。
低用量ピルを使用するためにかかる費用
ピルは1カ月1シート単位で飲み進めていきます。
1カ月当たりのお薬代は診察料を含め2500円前後です。
医療機関や低用量ピルの種類により若干の差はあるものの、1日あたり100円くらいでピルの恩恵が受けられることになりますよ♪
私の場合、3ヵ月に一度の受診を継続しているのですが、その明細書がこちらです。(受診の際、3ヵ月分の薬を1度にいただいています)
ご覧のとおり保険適応もしっかりされて、再診料+薬(3ヵ月分)で6,580円なので、1カ月にかかっている費用は2,193円です。
半年から一年に1度、内診や採血があるので別途かかることがありますが、さほど費用はかさみません。(自己負担3割はホント助かります)
※低用量ピルの中でも、避妊目的のピルの場合は保険は使えません。
【Q&A】低用量ピルを飲むと
低用量ピルの服用を考える上での、よくある疑問についてまとめました。
Q.妊娠できない体になってしまう?
A.低用量ピルの服用を止めれば妊娠が可能です。(その後の妊娠・出産への影響は一切ありません)
一般的にピルの服用を中止したらすぐに排卵が再開します。
「すぐに」と書きましたが、その期間には個人差があります。
実際に「ピルの服用を中止後、2~3ヵ月で妊娠できた」という方や「服用中止後、半年でやっと排卵が来た」という方もおられます。
Q.太りやすくなるの?
A.太りやすくなるわけではありません。
むくみの副作用があるので、それにより体重増加をする場合があります。
これは服用開始初期の副作用なので、むくみが軽減されれば体重も戻ってきます。
Q.乳ガンになりやすくなるの?
A.低用量ピルでは、乳ガンの発生リスクは増加しないという研究結果が少しずつ出始めています。
ただし、乳ガンを発症したことのある方には低用量ピルの服用はおススメできません。
Q.飲み始めたピルはやめることができるの?
A.いつでも服用をやめることが可能です。
ただし、一度やめてしまうと、40歳以降では再開がおススメできません。(血栓症のリスクが高まるため)
ピルの服用が適さない人には、代わりとなる方法を医師に勧めてもらえます。
低用量ピルの効果は? まとめ
女性にとってメリットの大きい低用量ピル。
生理の辛さに悩んでいる方はその選択肢を考えてみましょう。
利用できるものは上手に利用し、快適な暮らしを手に入れませんか?
さいごに、お薬は子供の手の届かないところに保管しましょうね。
お読みいただきありがとうございました。
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