美学とは?内容をわかりやすく解説!【芸術をもっと楽しもう!】

こんにちは!

突然ですが、「美学」という言葉を聞いたことはありますか?

男の美学や女の美学といったように、「美しさの考え方」という意味で使われることの多い言葉ですが、実は学問の1種でもあるんです。

そして、これを学ぶと、芸術をもっと楽しめるようにもなります!

この記事では、大学で美学について学んでいた私が、「美学」という学問をわかりやすくご説明します。

読み終えると、あなたも美学に興味が湧いているはずですよ。

目次

美学とは?

美学とは、哲学の中の1領域で「美とは何か?」を考える学問のこと。

イメージ的には、以下のような感じです。

美学は哲学の1領域

哲学というくらいですから、明確な答えはありません。

「どういう基準で美を判断するのか」を学ぶのではなく、「人々がどのようにして、美という感覚を共有してきたのか」を考える学問なんです。

なので、学問といえど、そんなに堅苦しくないですよ。

読者さま

うーん、わかるような、わからないような……?

筆者

ですよね……。私も最初はそうでした。

わかりやすく、具体例を挙げて見ていきましょう。

それでは早速「平安時代の貴族の女性がしていた白塗り化粧」を頭の中でイメージしてみてください。

……そうそう。日本史や古典の教科書でよく見かけるあれです。

平安時代の女性の貴族

一説によると、この化粧は当時「暗闇でもよく映えるから」と、美しいものとされていました。

けれど、現代の感覚だと「これが美しいの?」と疑問に思ってしまいますよね。

美学では、こういった白塗り化粧へ感じる美しさの変遷や、美しいと感じていた当時の人々の感性について考えます。

難しそうに聞こえますが、当時の情勢などを少しずつ紐解いていくと、理解できてくるんです。

「昔の人が感じていた美しさ」について考えるって、なんとなくロマンがありませんか?

美学を学ぶと芸術がもっと楽しくなる

美学を学ぶと、芸術がもっと楽しくなります。

なぜなら、その芸術作品を見た時に考えることや感じることが、2倍にも3倍にもなるからです。

実際に私も、美学を学んだことで、芸術をもっと楽しめるようになりました。

それは、好きなバレエ作品の1つである、『白鳥の湖』を観に行った時のこと。

今まで気にも留めなかった音楽性や身体表現が、美学を勉強した後にはとても気になるものに思えたのです。

「どうしてこの作品は、美しいと評価され続けてきたのだろう?」

「この作品は、当時の人々の感性にどんな影響を与えたのだろう?」

「コール・ド・バレエの統一性や、白鳥と黒鳥の対称性に美しさを感じるのは何故だろう?」

そんな疑問が次々と湧いてきて、作品を見るのがもっと楽しくなりました。

美学を学ぶと、芸術作品を色々な視点から見られるようになります。

もっと芸術作品を楽しみたい方は、ぜひ学んでみることをおすすめします!

日常を美学的視点で眺めてみると

日常生活の中で目に入るものを美学的視点で眺めてみても、意外に面白い発見があります。

例えば、服装。

人によって美の基準が大きく分かれるものの代表例ですよね。

そこで、自分が惹かれる服装に対して「なぜそれを美しいと思うのか?どうしてこれを好むのか?」を考えてみてください。

改めて自分の価値観と向き合うことで、自分でも気づいていなかった感覚に気づき、視野が広がります。

私はこの感覚がとても好きで、定期的に美術館などに通い、美学と向き合う時間を作っています。

特に、ライターなど、何かをアウトプットすることを生業としている方には試して頂きたい方法です。

美学を学びたい時は?

読者さま

美学にちょっと興味が湧いてきたけど、どこでどうやって学べばいいの?

筆者

それなら、本や大学で学ぶと良いですよ!

美学というものは、通信講座やスクールではなかなか学べないので、本や大学の授業で勉強するのをおすすめします。

とはいえ、美学は比較的自由な学問です。

基本的な知識や考え方を身に着ければ、「美しい」と感じるもの全てが考察の対象になるので、前述の通り日常生活でも学べます。

美学を本で学ぶ

美学を本で学ぶなら、私が「わかりやすい!」と思った以下の3冊がおすすめです。

  • 西村清和『現代アートの哲学』
  • 佐々木健一『美学への招待 増補版』
  • 小林留美『美学をめぐる思考のレッスン』

それでは、詳しくご紹介していきます。

西村清和『現代アートの哲学』

現代アートの哲学
引用:Amazon

大学時代、私が美学の授業で教科書として使っていた本です。

現代アートと哲学の繋がりがよくわかり、美学の基本的な考え方も理解できます。

1995年に刊行された本なので、情報が古く感じられる部分もありますが、基本的な知識や専門用語の意味は今も変わりません。

なので、今読んでも充分に活用できますよ。

まずはこれを読んで、美学というものの概要を掴んでみましょう。

筆者

私はこの本を読んで、芸術への見方や考え方が変わりました。
何かしらの現代アートを見て「どうしてこのよくわからない作品が、芸術だと言われて高く評価されているの?」という疑問を持ったことがある方には、刺さる内容だと思います。

佐々木健一『美学への招待 増補版』

美学への招待
引用:中央公論新社

タイトルの通り、美学の入門書として最適な本です。

どのような考え方が美学であるのか?ということが、わかりやすくシンプルにまとめられています。

美学について考えるきっかけ、問いかけが散りばめられているので、考える力を養うのには最適です。

もともとは2013年に発刊された本ですが、そこに最近の情報も加えたこの増補版は、2019年に発刊されています。

なので、最近の美学についての知識もインプットできますよ。

美学についての考え方を学ぶためにも、ぜひ読んでみてくださいね。

筆者

私はこれを読んでから、芸術に触れた時に、自ら問いを見つけられるようになりました。
美学への関心も高まること間違いなしですよ!

小林留美『美学をめぐる思考のレッスン』

美学をめぐる思考のレッスン
引用:Amazon

流行りのキャッチーな題材を取り上げ、美学的な観点から解説した本です。

ページ数も少なく読みやすいので、「あまり難しい内容から入るのはちょっと……」という方でもさくっと読めます

また、アートで論じられることの多い美学を、珍しい「美容」という観点でも言及しています。

他にも「せんとくん」、「インスタグラム」などを美学的に考察しているため、美学についてあまり知らなくても楽しめますよ。

筆者

普段から馴染みのあるものについて、「そんな風に美学的に考えることができたんだ!」という発見ができました。
詳しい解説書と違って内容も親しみやすく、気軽に読めます。

美学を大学で学ぶ

大学には「美学」という授業を設けているところがあるので、大学でも学べます。

主に人文学系の学部や学科に設置されており、やはり哲学の研究をされている先生が担当します。

私が通っていた大学にも美学の授業があったので、私はそれを4年間、受け続けていました。

とはいえ、どんな授業を行うのかイメージが湧きにくいですよね。

そこで、大学で行う美学の授業についても、ご説明します!

美学の授業では何をするの?

大学の美学の授業では、美学の基本的な知識を学んだ後、様々な研究対象について考察していきます。

研究対象は舞踊、絵画、彫刻など、様々。

日本の作品も海外の作品も関係なく、毎回の授業で色々な対象を扱い、考え方を深めていきます。

筆者

かくいう私も、大学の卒業研究は「現代女性が執事喫茶に感じる美しさについて」でした!

なので、自分が「美しい」と感じるものなら何でも、研究対象になっちゃうんです。

「初音ミク」や「漫画に描かれる女性像」なんかを研究している友達もいましたね。

美術史学や芸術学とは何が違うの?

似たような名前の学問に、美術史学や芸術学があります。

これらは、研究の焦点が「作品」や「歴史」になる点が、美学と異なっています。

なぜなら美学は、その作品に対しての「人の気持ち」や「感性」にフォーカスする学問だからです。

例えば、名画『モナ・リザ』について研究する場合。

「美術史学や芸術学的な観点」と「美学的な観点」では、以下のような違いがあります。

「美術史学や芸術学的な観点」で考える時のポイント
  • 当時の時代背景
  • スフマートや空気遠近法といった、絵画における特殊な技術
  • 絵画の中に描かれているモチーフ
「美学的な観点」で考える時のポイント
  • なぜ『モナ・リザ』を美しいと感じるのか
  • 『モナ・リザ』は、見た人の感性にどのような影響をもたらしたのか

とても簡単に言うと、

  • 美術史学や芸術学は具体的で、答えが明確
  • 美学は抽象的で、答えが多岐にわたる

ということです。

このように、美術史学・芸術学と美学は、根本的な対象や考え方が大きく異なっています。

自分の学びたいものに沿って、正しく選択してくださいね。

美学を学ぶと芸術や日常がもっと楽しくなる!

美学は、芸術や日常をもっと楽しくさせてくれる学問です。

人や自分の感性について学び、感性の歴史について学ぶと、感性や感覚の幅も広がっていきます。

広がった視野で見た芸術や日常は、きっと今とは大きく異なっているはずです。

あなたも美学を学んで、そんな世界を見てみませんか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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