売上を伸ばしたい。
これは経営者であれば誰もが考えることだと思います。
ただ、不思議なことがあります。
売上が伸びない会社ほど、「頑張る」が増えていく
売上が停滞している会社ほど、
「もっと営業を頑張ろう」
「もっと広告を出そう」
「もっと発信しよう」
という話が増えていくんですよね。
もちろん、それ自体が間違いというわけではありません。
ただ、少し乱暴に言うと、売上が伸びない原因の多くは「努力不足」ではなく、「構造の見落とし」にあります。
実際、成果が伸び悩む会社を見ていると、頑張っていないケースよりも、頑張る方向がずれているケースのほうが多いように感じます。
問題は熱量ではなく、その熱量をどこへ向けているのか。
そこに違いがあるのかもしれません。
売上が伸びない原因は、努力不足ではなく「どの工程を見るか」という構造の問題かもしれません。
売上をひとつの塊として見てしまう
なぜこうしたことが起きるのでしょうか。
理由のひとつは、売上を「ひとつの数字」として見てしまうことにあります。
例えば、月商100万円を200万円にしたい。
そう考えた瞬間に、多くの人は売上そのものを増やそうとします。
しかし実際には、売上は単独で存在しているわけではありません。
そこには、いくつもの工程があります。
- 集客
- 問い合わせ
- 商談
- 提案
- 契約
- 継続
売上とは、その結果として最後に現れる数字です。
にもかかわらず、途中の工程を見ずに最終結果だけを追いかけてしまう。
すると改善の打ち手が曖昧になります。
「とにかく営業」
「とにかく広告」
という話になりやすいんですね。
大きな成果は、小さな改善の掛け算で生まれる
これ、スポーツに少し似ています。
たとえばマラソン選手が記録を伸ばしたいとします。
- フォームを改善する
- 呼吸法を見直す
- 食事を整える
- 睡眠の質を上げる
- 筋力トレーニングを行う
どれかひとつだけで劇的に変わるわけではありません。
でも、それぞれが少しずつ良くなると、最終的なタイムは大きく変わります。
事業も同じです。
- 問い合わせ率が少し上がる
- 商談化率が少し上がる
- 成約率が少し上がる
- 平均単価が少し上がる
- 継続率が少し上がる
一つひとつは地味です。
ですが、掛け算で考えると結果は大きく変わります。
売上を伸ばすというより、売上を構成する要素を整える。
そんな見方のほうが実態に近いのかもしれません。
売上はひとつの数字ではなく、集客・商談・成約・継続などの小さな要素が積み重なった結果です。
どこが悪いのか分からないことが最大の問題
もうひとつ見落とされがちなのが、数字を持っていない状態です。
例えば、問い合わせは増えている。
でも売上は増えていない。
このとき、どこで減っているのか。
商談でしょうか。
提案でしょうか。
契約でしょうか。
あるいは継続でしょうか。
数字がなければ分かりません。
これは体調不良なのに検査を受けていない状態に少し似ています。
原因が分からなければ、対策も感覚になります。
すると、
- たぶん営業力の問題だろう
- たぶん広告が足りないんだろう
- たぶん発信量が足りないんだろう
という推測が増えていきます。
そして推測に基づいて頑張る。
結果として、努力量は増えるのに成果は変わらない。
そんな状況が生まれます。
経営にも分散という考え方がある
もうひとつ興味深いのは、多くの会社が集客手段をひとつに依存していることです。
- 紹介だけ
- 広告だけ
- SNSだけ
- 展示会だけ
もちろん、最初はそれでも機能することがあります。
ただ、市場環境は常に変わります。
昨日まで成果が出ていた方法が、来月も同じように機能するとは限りません。
投資の世界では、資産を分散することはよく知られています。
一方で事業になると、なぜかひとつの方法に集中してしまうことがあります。
これは集中が悪いという話ではありません。
依存がリスクになるという話です。
複数の選択肢を持っている会社は、環境変化への耐性が高くなります。
結果として、長期的には安定しやすくなります。
売上の問題ではなく、見方の問題かもしれない
ここまで読むと、売上アップの話をしているように見えるかもしれません。
でも本質は少し違います。
テーマは売上ではなく、「どう物事を見るか」です。
伸びる会社は、売上を見ているようでいて、実は構造を見ています。
- 結果ではなく過程を見る
- 感覚ではなく数字を見る
- ひとつの正解ではなく複数の要素の関係性を見る
だから改善点が見つかる。
だから再現性が生まれる。
そんな見方もできると思うんです。
強い考え方ほど、使い方で品格が出る
ここでひとつ大切なことがあります。
数字や仕組みの話をすると、人を管理する話だと思われることがあります。
ですが、これは人を操作するための話ではありません。
むしろ逆です。
感覚だけで判断しないための材料を持つということです。
数字は人を縛るためではなく、現実を正しく見るために使うものです。
強い考え方ほど、使い方で品格が出ます。
だからこそ、数字を見ることと、人を見ること。
その両方を持っていたいものです。
本当に必要なのは、もっと頑張ることではなく、頑張る前に構造を見ることなのかもしれません。
頑張る前に、売上の裏側を見る
売上が伸びないとき、私たちはつい「もっと頑張る方法」を探しがちです。
でも本当に必要なのは、頑張る前に構造を見ることなのかもしれません。
あなたの会社では今、売上という結果の裏側にあるどの工程が見えていて、どの工程がまだ見えていないでしょうか?
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