売上を伸ばしたい。
そう考えたとき、多くの会社が真っ先に取り組むのは新規集客です。
- 広告を出す
- SNSを運用する
- SEOに力を入れる
もちろん、どれも大切です。
顧客リストは名簿ではなく、関係の履歴なのかもしれない
ただ、これを続けていると、ある違和感が生まれることがあります。
新しい人との出会いは増えている。
それなのに、なぜかいつも「集客し続けなければならない状態」から抜け出せない。
そんな感覚です。
少し乱暴に言うと、新しい人ばかり探し続けて、すでに出会った人との関係を忘れてしまっている。
そんな状態になっている企業は、意外と少なくありません。
顧客リストは、ただの連絡先ではありません。すでに接点が生まれた人たちとの、関係の履歴として見ることができます。
「断られた人」になってしまう
一度でも問い合わせをしてくれた人。
資料請求をしてくれた人。
セミナーに参加してくれた人。
商談まで進んだけれど、その時は契約に至らなかった人。
こうした人たちは、時間の経過とともに「過去の人」になっていきます。
そして、
「断られたから見込みはない」
「反応がなかったから終わり」
そんなふうに、企業側が勝手に結論を出してしまうことがあります。
でも、本当にそうなのでしょうか。
私たち自身もそうです。
- 数年前には必要なかったものが、ある日突然必要になる
- 以前は予算がなかったけれど、今なら検討できる
- 担当者が変わって状況が変わる
- 優先順位が変わる
こうしたことは、仕事の現場では珍しくありません。
つまり、
「買わなかった」
のではなく、
「その時ではなかった」
というケースも少なくないんですよね。
ここを混同してしまうと、本来つながり続けられたかもしれない人との関係まで、自分たちから終わらせてしまうことになります。
リストは名簿ではなく、関係の履歴
そもそも、顧客リストという言葉には少し誤解があるのかもしれません。
リストというと、名前とメールアドレスが並んだデータのように聞こえます。
でも、本質はそこではありません。
リストとは、
「過去に接点が生まれた人たちとの履歴」
とも言えます。
だから重要なのは数ではなく、文脈です。
- どんな出会いだったのか
- 何に興味を持ってくれたのか
- どんな課題を抱えていたのか
- どのタイミングで接点が生まれたのか
名簿を管理することではなく、関係を育てること。
ここに視点が移ると、リストの見え方が少し変わってきます。
顧客リストで大切なのは、人数の多さだけではなく、その人たちとどんな文脈で出会い、どんな関係が始まっているのかです。
新規集客ばかりでは疲れてしまう
例えば、飲食店を想像してみてください。
初めて来店したお客様に全力を尽くすことは大切です。
でも、一度来てくれたお客様を完全に忘れながら、新規のお客様だけを追い続けていたらどうでしょう。
常に新しいお客様を探し続けなければならず、経営は少しずつ苦しくなります。
一方で、
「あのお店、そういえば最近どうしているかな」
と思い出してもらえる関係があれば、再び足を運んでもらえる可能性は生まれます。
BtoBでも同じです。
問い合わせが来た瞬間だけが勝負なのではありません。
むしろ、その後の時間の中で関係が深まることもあります。
価値提供とは、売り込まないことではない
ここで見落とされがちなのですが、リスト活用とは、メールをたくさん送ることではありません。
一度の配信で売ることでもありません。
継続的に価値を届け、必要になったときに思い出してもらえる状態をつくること。
これが本質です。
だから、毎回キャンペーンの案内ばかり送ると、企業側の都合だけが前面に出てしまいます。
逆に、次のような情報を届け続ける企業には、
- 業界の変化
- 現場で感じたこと
- 成功事例や失敗事例
- 役立つ知見
「いつも参考になります」
という言葉が返ってくることがあります。
関係というのは、売り込みによって強くなるものではなく、積み重ねによって育っていくものなのかもしれません。
リスト活用の本質は、売り込み続けることではなく、必要なときに思い出してもらえる関係を育てることです。
忘れられないことより、思い出してもらえること
これは人を操作するための話ではありません。
相手の判断を奪うための話でもありません。
必要なタイミングは、相手が決めるものです。
企業側ができるのは、忘れられないようにすることではなく、思い出してもらえる存在であり続けること。
そのくらいなのだと思います。
新しい出会いの前に
新規集客は、これから出会う人との関係づくりです。
一方で、既存のリストは、すでに始まっている関係です。
どちらが大事という話ではありません。
ただ、新しい出会いばかりに目が向くあまり、すでに生まれている関係の価値を見落としてしまうことはあるのかもしれません。
もし今、
「集客はしているのに、いつも追われている」
そんな感覚があるとしたら。
次に増やすべきものは、新しいリストの数ではなく、すでに出会った人との接点なのかもしれません。
あなたの会社の顧客リストは、単なる連絡先の集まりになっているでしょうか。
それとも、これまで築いてきた関係の履歴として扱えているでしょうか。
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