「うちの商品は良いんですけどね」
この言葉、経営の現場では本当によく聞きます。
品質も悪くない。サービスにも誠実さがある。お客さんへの想いもある。
でも、なぜか反応が伸びない。
良い商品なのに、なぜ選ばれないのか
広告を出しても静か。
SNSも更新している。
紹介も少なくない。
それなのに、なぜか決定的に選ばれない。
今日は、その理由について少し考えてみたいと思います。
人は商品の機能ではなく、その商品によって見える「未来の解像度」で動いています。
説明は増えているのに、伝わらない
最近、特に感じるのが、多くの発信が「説明」に偏りすぎているということです。
たとえば、次のような情報があります。
- 創業◯年
- 実績◯件
- 高品質素材使用
- 独自メソッド
- 資格保有
こうした情報は、もちろん信頼にはつながります。
ただ、読み手が本当に知りたいのは、そこではない場合が多いんです。
知りたいのは、「それによって、自分の日常がどう変わるのか」なんですよね。
人は機能ではなく、未来を見ている
少し乱暴に言うと、人は商品そのものを見ているわけではありません。
商品を通じて訪れる、未来の感情を見ています。
たとえば整体院なら、
「国家資格保有」
よりも、
「仕事終わりに、子どもを笑顔で抱っこできる」
のほうが、身体感覚として理解しやすい。
BtoBでも同じです。
「AI導入支援」
という言葉より、
「毎週3時間かかっていた報告業務が、30分で終わる」
のほうが、導入後の景色が見えます。
人は、理解したものではなく、想像できたものに動かされやすいんです。
伝えるべきなのは、商品の説明ではなく「その商品を選んだ後に見える景色」です。
良い商品だけでは届かない理由
ここを見落とすと、発信はどんどん説明資料に近づいていきます。
そして説明が増えるほど、逆に伝わらなくなる。
これ、意外と多くの現場で起きています。
なぜなら、作り手ほど機能を語りたくなるからです。
- どれだけ工夫したか
- どれだけ技術があるか
- どれだけ真面目にやっているか
そこには誇りがあります。
だから、つい説明したくなる。
でも、受け手はそこから入らない。
先に欲しいのは、「それ、私に関係ありますか?」への答えなんです。
この問いを越えられないと、どれだけ正しい情報でも通り抜けてしまいます。
論理だけでは、人は動かない
もちろん、論理は必要です。
ただ、論理だけでは人は動かない。
逆に、感情だけでも長続きしません。
大事なのは、理解と感情がつながっていることなんですよね。
たとえば、
「今申し込まないと損ですよ」
ではなく、
「放置すると、どういう状態になりやすいのか」
を整理して伝える。
すると相手は、煽られたのではなく、理解できたという感覚に近づきます。
この差は、長い関係になるほど大きくなります。
問題を解決する人より、整理できる人
個人的に大事だと思うのが、問題を定義する力です。
多くの会社は、解決策を売ろうとします。
でも本当は、「何が問題なのか」を言語化できる会社のほうが、信頼されやすい。
たとえば、
「問い合わせが減っています」
という相談に対して、
- 広告の問題なのか
- 導線の問題なのか
- 比較される理由の問題なのか
- 認知のされ方の問題なのか
ここを整理できるだけで、相手の安心感は変わります。
人は、売り込みが上手い人より、状況を整理してくれる人に信頼を置きます。
これはBtoBほど強いかもしれません。
相手が自分の状況を理解できるようにする
結局、良いマーケティングというのは、派手なテクニックではありません。
相手が、自分の状況を理解できるようになること。
そして、その理解の先に自然な選択があること。
そんな流れのほうが、長く続く関係になりやすいのだと思います。
今、自社の発信を見返した時、そこには機能の説明が多いでしょうか。
それとも、相手が自分ごととして想像できる未来が、きちんと置かれているでしょうか。
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