「商品には自信がある」
「品質にもこだわっている」
「お客様からの評判も悪くない」
それにもかかわらず、なかなか売上につながらない。
そんな悩みを抱えている会社には、ある共通した特徴があるからです。
多くの経営者は、
「もっと品質を上げれば売れる」
「もっと差別化すれば選ばれる」
と考えます。
もちろん、それ自体は間違いではありません。
ただ、実際にはその前段階で、お客様から“存在を思い出してもらえていない”。
つまり、“選択肢に入っていない”というケースが非常に多いんです。
■“売れない本当の理由”は品質ではない
多くの経営者は、
「もっと品質を良くしよう」
「もっと差別化しよう」
と考えます。
もちろん、それ自体は間違いではありません。
ただ実際には、その前段階で大きな問題が起きています。
それが、“そもそも思い出されていない”ということです。
つまり、比較対象にすら入っていない。
これが、売れない最大の理由なんです。
例えば、
「コーヒーを飲みたい」
と思った時、頭に浮かぶのは、
- スターバックス
- コンビニコーヒー
- 缶コーヒー
このあたりではないでしょうか。
でも、近所の個人カフェはどうでしょう?
よほど強い印象がない限り、多くの場合、頭には浮かびません。
これはつまり、“存在していないのと同じ”ということなんです。
どれだけ美味しくても、どれだけ丁寧でも、思い出されなければ選ばれない。
かなり厳しい話ですが、これが現実です。
■スターバックスが強い理由
では、なぜスターバックスは真っ先に思い出されるのか?
それは、“入り口”を数多く持っているからです。
例えば、
- 仕事をしたい時
- 勉強したい時
- 友人と話したい時
- 一人で落ち着きたい時
- 打ち合わせしたい時
さまざまなシーンで、
「とりあえずスタバに行こう」
が成立している。
これが、カテゴリーエントリーポイント(CEP)の考え方です。
つまり、“どんな状況で思い出されるか”を設計しているんですね。
一方で、売上に苦戦している会社は、
- 品質にこだわっています
- 原材料が違います
- 独自製法です
といった、商品説明ばかりになっているケースが多い。
でも、お客様が本当に知りたいのは、“どんな時に必要になるのか”なんです。
■お客様は“商品”ではなく“シーン”を買っている
ここは、かなり重要なポイントです。
お客様は、商品そのものを買っている訳ではありません。
“今の状況を変えるため”に商品を買っています。
例えば缶コーヒーもそうです。
単純にコーヒーが飲みたい訳ではない。
- 朝の眠気を覚ましたい
- 仕事中に気持ちを切り替えたい
- 運転中の眠気を飛ばしたい
こうしたシーンが先にある。
だから本来、マーケティングで考えるべきなのは、
「商品の特徴」ではなく、
「どんな状況で必要になるか」なんです。
■売上が伸びた会社が変えたのは“商品”ではなかった
実際、ある会社では、長期間売上が伸び悩んでいました。
経営者は、
「品質には自信があるのに、なぜ売れないのか」
と悩んでいたんです。
ただ、発信内容を見てみると、
- 成分
- 製法
- 機能性
- 品質管理
といった、“商品の説明”が中心でした。
そこで行ったのが、
「どんな状況で必要になるのか?」
という視点の整理でした。
すると見えてきたのは、
- 忙しい朝
- 大事な予定の前
- 体調管理を意識したい時
- 生活リズムを整えたい時
といった、具体的な“使用シーン”だったんです。
そこで発信を、
「商品の特徴」ではなく、
「どんな時に役立つのか」を軸に変更しました。
結果として、売上は大きく改善。
商品を変えたわけでも、価格を下げたわけでもありません。
変えたのは、“思い出される入口”だけだったんです。
■“何でもできます”は一番弱い
ここで重要なのが、“シーンを絞る”という考え方です。
多くの会社は、
「幅広く対応できます」
「どんなニーズにも応えます」
と言います。
でも実は、これはかなり危険です。
なぜなら、印象に残らないからです。
人は、
「この悩みならこの会社」
という形でしか記憶できません。
だからこそ、
“どのシーンで思い出されたいのか”
を明確にする必要があるんです。
■まずやるべきは“シーンの棚卸し”
では、具体的に何をすればいいのか?
まず最初にやるべきなのが、“シーンの棚卸し”です。
ただし、ここで多くの人が間違えます。
自分の頭だけで考えてしまうんです。
「きっとこういう時に使われるはず」と。
でも、実際にはかなりズレていることが多い。
だからこそ、お客様に直接聞く必要があります。
しかも、質問はこれです。
「この商品を使いたくなるのは、どんな状況ですか?」
この質問、本当に重要です。
よくあるように、
「なぜ買いましたか?」
と聞いてしまうと、“理由”しか見えません。
でも、本当に重要なのは“状況”なんです。
■シーン別に訴求を変える
例えばプロテインでも、
「高タンパク」だけでは弱い。
でも、
- 朝食代わり
- 筋トレ後
- 仕事中
- ダイエット中
- 寝る前
というように、シーンごとに見せ方を変えると、一気に対象が広がります。
なぜなら、
「これは自分に必要だ」
と感じてもらえるからです。
■競合が取っていないシーンを狙う
さらに重要なのが、“空いているシーン”を狙うことです。
みんな同じ場面で戦うから、価格競争になる。
例えば、ある缶コーヒーは、
「徹夜明けの運転」
に特化してヒットしました。
- 眠気覚まし特化
- 高カフェイン
- パッケージも眠気対策仕様
完全に、シーンから逆算して作られていたんです。
■SNSには“シーン”のヒントが眠っている
今なら、SNS調査もかなり有効です。
XやInstagramで検索すると、
「○○な時に助かった」
という投稿が大量に見つかります。
そこには、リアルな使用シーンが詰まっています。
つまり、市場調査のヒントが山ほどあるんです。
■季節ごとに“入り口”を変える
さらに、シーンは季節によっても変わります。
- 1月 → 正月太り
- 4月 → 新生活
- 6月 → 夏前
- 12月 → 忘年会対策
こうした入口を作ることで、年間を通して売上を安定させやすくなります。
■シーンは“待つ”ものではなく“作る”もの
最後に、一番大事な話をします。
シーンは自然に生まれるものではありません。
“作る”ものです。
例えば、バレンタイン。
あれも元々は企業が作った文化です。
「2月14日はチョコを贈る日」
というシーンを、後から作った訳です。
つまり、あなたの会社も、
「○○の時はこれ」
という習慣を作ることができる。
これが、本当のマーケティングです。
商品を売るのではなく、
“思い出される状況”
を作る。
これができると、価格競争から抜け出せます。
広告費への依存も減ります。
そして、売上が自然と積み上がる状態になっていくのです。
あなたの商品は、どんな時に思い出されていますか?
逆に言えば、
“どんな状況なら、自然に思い出してもらえるか?”
そこを考えるだけで、売上は大きく変わるかもしれません。
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