「テレビに出たい」「雑誌に載りたい」「PRをやったのに、効果がよくわからない」。
こうした相談は、経営者から頻繁に出てきます。
ただ、話を聞いていると、多くの場合はPRの捉え方が最初からズレています。
そのズレがある限り、PRは空振りしやすくなります。
よくある勘違いは「PR=集客の手段」
多くの会社は、PRを集客装置として見ています。
- テレビに出れば客が増える
- 雑誌に載れば売上が伸びる
- 有名メディアに出れば一気に広がる
もちろん、露出によって問い合わせが増えることはあります。
ただ現実には、雑誌に載っても「意外と何も変わらなかった」というケースも少なくありません。
ここで重要なのは、PRが無意味なのではなく、目的設定がズレているということです。
PRは、売上を直接作る施策ではなく、信用の土台を作る施策です。
PRの本質は「売上」ではなく「信用」
PRの強みは、売上を直接作ることではありません。
広告とは違い、PRは第三者であるメディアを通して発信されます。
そのため、
- この会社は信頼できそうだ
- この社長は一度話を聞いてみたい
- この取り組みは意味がありそうだ
という印象が生まれやすくなります。
つまりPRの役割は、集客というよりも信頼と権威を獲得することに近いのです。
営業、採用、提携を支える「信用の土台」を作る施策として見ると、PRの使い方は大きく変わります。
広告とPRは、そもそも仕組みが違う
広告は、枠を買うものです。
お金を払えば掲載できます。
一方でPRは、記事や番組として扱われるため、メディア側が「世の中に出す価値がある」と判断しなければ成立しません。
ここが根本的に違います。
この違いを理解しないままPRを行うと、
- お金をかけたのに載らない
- 露出しても売れない
- メディアに響かない資料を送ってしまう
というズレが起きます。
メディアが欲しいのは「良い会社」ではなく「記事になる素材」
メディアが見ているのは、「この会社は優良企業か」だけではありません。
それよりも重要なのは、「この話は記事として成立するか」です。
編集者やディレクターが見ているのは、主に次のような点です。
- 読者が最後まで読むか
- 番組として尺が持つか
- 視聴者にとって面白いか
ここで重要になるのは、商品や売上だけではありません。
ストーリーです。
メディアは事業のすごさだけでなく、「世の中に伝える意味があるか」を見ています。
メディアが反応しやすい3つの要素
PRで取り上げられやすい会社には、共通する要素があります。
- 社会性:世の中との接点がある
- 意外性:ギャップや新しさがある
- 人間性:この人の話を聞きたいと思える
この3つが揃うと、取材されやすくなります。
逆に言えば、「技術がすごい」「売上が大きい」だけでは、記事として成立しにくいこともあります。
理由はシンプルです。
読者が感情移入しづらいからです。
同じ商売でも、語り方で価値は変わる
例えば、次のような説明があったとします。
「クレープ屋を3店舗経営していて、年商は3億です」
ビジネスとしては立派です。
ただ、メディア的には話が広がりづらいかもしれません。
一方で、こうなると印象は変わります。
「震災をきっかけに、復興支援として始めたクレープ屋。被災地の食材を使い、売上の一部を寄付している」
この瞬間に、社会性とストーリーが生まれます。
メディアが見ているのは、事業そのものだけではありません。
世の中に伝える意味があるかどうかです。
「普通の会社だから無理」は、ほぼ誤解
製造業でも、建設業でも、士業でも、ストーリーは作れます。
例えば地方の会社なら、次のような切り口があります。
- 外国人社員との文化交流の取り組み
- 地域の食材を使った社員食堂
- 子ども向けの工場見学
- 地域の高校との連携
こうした取り組みは、今日からでも作れるものです。
特に地方メディアは、地域性のある話題を好みます。
普通の会社だから無理なのではありません。
ニュースとして整理されていないだけ、というケースが多いのです。
PRは短期売上ではなく、長期の信用を積み上げるもの
PRは、短期で売上を作るための裏技ではありません。
信用を積み上げ、長期的に選ばれやすい状態を作るためのものです。
ここを履き違えると、露出が増えても成果が出ず、PRそのものが嫌いになってしまいます。
強い考え方ほど、使い方で品格が出ます。
PRで成果が出る会社は、露出を目的にするのではなく、信用を設計しています。
メディア攻略には順番がある
いきなりテレビを狙う会社は少なくありません。
ただ、現実的には次の順番が自然です。
- ネットメディア
- 雑誌・新聞
- テレビ
メディアの人は、他のメディアを見てネタを探すことがあります。
つまり、最初の露出が次の露出を呼ぶ構造になっているのです。
小さな媒体でも、一度記事になると連鎖が起きやすくなります。
アウトプットは未来の取材資料になる
もう一つ大事なのは、発信がない会社には取材が来にくいという点です。
特にブログやnoteなどの文章媒体は、編集者が事前に読みやすく、思想や専門性が伝わりやすい場所です。
メディアに見つけてもらうためのアウトプットは、単なる集客ではありません。
信用の蓄積でもあります。
日々の発信が、未来の取材資料になるのです。
PRをやる前に、最初に決めるべき問い
PRで失敗する会社は、PRを「売上を作る裏技」として扱いがちです。
一方で、PRで成果が出る会社は、PRを「信用を設計する仕組み」として扱っています。
同じ施策でも、目的の置き方で結果は大きく変わります。
もし今、あなたの会社がメディアに取り上げられるとしたら。
商品や実績ではなく、どんなストーリーで語られるのが自然でしょうか。
事業の伝わり方を、
毎朝少しずつ整える。
書人百花では、事業の言葉と導線を整えるヒントを、無料メールレターとしてお届けしています。
良い商品やサービスの価値を、必要な人に届く順番で伝えたい方は、まずは毎朝3分の読みものからご覧ください。
無料メールレターを受け取る

コメント