「営業に疲れた」
経営者の方と話していると、そんな言葉を聞くことがあります。
新規開拓をして。
断られて。
また新しい人を探して。
反応がなければ、さらに次へ。
もちろん、新しい出会いは大切です。
売上より先に、関係を育てるという発想
ただ、こうした話を聞いていると、少し気になることがあります。
それは、
「どう売るか」
には多くの時間を使っているのに、
「どう関係を続けるか」
については、あまり考えられていないことがある、ということです。
営業は一回で売るための行為ではなく、必要になったときに思い出してもらえる関係を育てる活動なのかもしれません。
営業が疲れるのは「売り方」の問題ではないかもしれない
私たちはつい、
営業とは「相手を説得して買ってもらうこと」だと思いがちです。
だから断られると、
「縁がなかった」
「もう興味はないんだろう」
と考えてしまいます。
そして、また新しい見込み客を探しにいく。
この流れ自体は間違いではありません。
ただ、少し乱暴に言うと、毎回、畑を耕さずに新しい土地を探し続けているような状態になってしまうことがあります。
せっかく出会った人との関係が、一回の提案だけで終わってしまう。
これ、意外と見落とされがちですが、大きな損失かもしれません。
「今回は買わない」と「もう買わない」は違う
人が何かを購入するときには、必要性だけで決めているわけではありません。
- 予算の都合
- 社内の事情
- 優先順位
- 検討する余裕
さまざまな条件が重なった結果として、今は見送る、という判断になることもあります。
つまり、
「今回は買わなかった」
と、
「もう二度と買わない」
は同じではないんですよね。
前回はタイミングが合わなかっただけで、半年後、一年後には状況が変わっていることもあります。
断られた相手を終わった関係にするのか、未来の接点として育てるのかで、営業の景色は大きく変わります。
売れている会社ほど、一回で決めてもらおうとしていない
面白いことに、長く売れ続けている会社ほど、
「今回で決めてもらおう」
とは考えていません。
むしろ、時間をかけて信頼を積み重ね、必要になったときに思い出してもらえる状態をつくっています。
たぶん、
営業とは「押す力」ではなく、
「思い出してもらう力」
なのかもしれません。
関係を続ける会社と、終わらせる会社
例えば住宅会社を考えてみます。
資料請求をした。
説明も受けた。
でも、そのときは購入しなかった。
だからといって、その会社との縁が終わるわけではありません。
半年後に家族構成が変わるかもしれない。
一年後に資金計画が整うかもしれない。
別の会社を検討した結果、最初に話を聞いた会社の価値を改めて感じることもあります。
そんなとき、
- 施工事例やお客様の声を定期的に届けていた会社
- 一度断られた瞬間に関係を終わらせてしまった会社
どちらが思い出されやすいか。
答えは、なんとなく想像できる気がします。
「誰にでも売る」が疲労を生むこともある
もう一つ、経営者が悩みやすいのが、
「できるだけ多くの人に買ってもらいたい」
という気持ちです。
売上を考えれば自然なことです。
ただ、誰にでも合わせようとすると、
- 価格を下げる
- 要望を断れない
- 無理な対応が増える
結果として、仕事そのものが苦しくなってしまうことがあります。
だから最近は、
「お客様を増やす」
よりも、
「どんな方と長く付き合いたいか」
を明確にする会社も増えています。
これは、お客様を排除するための話ではありません。
より良いサービスを提供するために、価値観や相性を大切にするという考え方です。
誰にでも売ろうとするほど、関係は浅くなり、仕事は疲れやすくなります。長く付き合いたい相手を明確にすることも、営業設計の一部です。
長く続く売上は、長く続く関係から生まれる
強い考え方ほど、使い方で品格が出ます。
相手の判断を奪うための話ではありません。
短期的な売上を追いかけるよりも、長く良い関係を築く。
その結果として、売上がついてくる。
そんな順番もあるのではないかと思います。
営業という言葉を聞くと、
「どうやって売るか」
を考えがちです。
でも、もしかすると本当に重要なのは、
「どうすれば、この人との関係が一年後も続いているだろうか」
を考えることなのかもしれません。
- 一度断られた相手
- しばらく連絡していない過去のお客様
- 無理をしながら付き合い続けている顧客
もし今の営業活動を、
「一回の勝負」
ではなく、
「長い関係づくり」
として見直してみるとしたら、あなたの現場では、まず何から変わっていくでしょうか?
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