経営をしていると、不思議なことがあります。
SNSが流行れば、みんなSNS。
動画が流行れば、みんな動画。
AIが話題になれば、みんなAI。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
みんなが同じことを始めた瞬間、価値は少しずつ薄れていく
ただ、少し気になることがあります。
「本当に自社に必要だからやっているのか。」
それとも、
「みんながやっているから、やらなければいけない気がしているのか。」
この二つは、似ているようで少し違います。
みんなが同じ施策を始めた瞬間、そこには競争が生まれます。大切なのは、流行に乗ることではなく、自社にとって本当に価値がある選択かを見極めることです。
みんなが同じ方向を向き始めたとき
流行している施策には、安心感があります。
すでに誰かが結果を出している。
多くの会社が取り入れている。
そう見えると、自社も同じ方向へ進んだほうがいいように感じます。
けれど、その選択が増えれば増えるほど、違いは見えにくくなっていきます。
みんなが同じ場所で、同じような言葉を使い、同じような見せ方を始める。
そのとき、お客様からは「どこも同じ」に見えてしまうことがあります。
人はなぜ同じ方向へ向かうのか
たぶん、人は「間違えたくない」んですよね。
前例があると安心します。
成功事例を見ると、
「この方法なら失敗しないかもしれない」
と思える。
経営は正解のない仕事です。
だからこそ、多くの人が「すでに誰かが通った道」を選びます。
それは自然なことです。
ただ、その選択が増えすぎると、少し別の問題が起きます。
みんなが同じ場所に集まり始める。
すると、競争は激しくなり、違いは見えにくくなる。
結果として、
「どこも同じに見える」
という状態が生まれます。
前例がある施策は安心できます。けれど、同じ場所に人が集まりすぎると、競争は激しくなり、自社ならではの違いは見えにくくなります。
差別化は、逆をやることではない
ここで誤解したくないのは、
「だから逆張りをしよう」
という単純な話ではないことです。
逆をやればいいなら、世の中のビジネスはもっと簡単です。
本当に大事なのは、
「みんなが見ている方向とは違う場所に、まだ価値が残っていないかを考えること。」
これなんですよね。
例えば、誰もがオンラインに向かっている時代に、手紙をもらうと少し驚きます。
大量の情報に囲まれているからこそ、一通の手書きのメッセージが印象に残ることもあります。
あるいは、スピードが求められる時代だからこそ、「時間をかけること」に価値を感じる人もいます。
つまり、
逆側には、ときどき見落とされた需要がある。
それを見つけることが、差別化の始まりなのかもしれません。
「当たり前」は、案外ただの思い込みかもしれない
例えば美容室。
- 営業時間は昼から夜
- 予約はネット
- 価格は相場に合わせる
これらは業界の常識です。
でも、それは本当に「絶対」なのでしょうか。
夜勤で働く人だけを対象にした美容室があってもいいかもしれません。
完全予約制で、一日数名だけを受け入れる店があってもいいかもしれません。
少し乱暴に言うと、イノベーションの多くは、
「みんなが当たり前だと思っていた前提を疑うこと」
から始まっています。
業界の当たり前は、絶対のルールではありません。誰も疑っていない前提の中に、新しい価値の入口が隠れていることがあります。
本当のリスクはどこにあるのか
私たちは、
「みんなと違うことをするのは怖い」
と思いがちです。
- 批判されるかもしれない
- 失敗するかもしれない
- 理解されないかもしれない
その感覚はとても自然です。
ただ、一方で、みんなと同じことを続けることにも、別のリスクがあります。
- 競争が激しくなる
- 価格でしか選ばれなくなる
- 特徴がなくなる
つまり、
「同じでいること」も、決して安全ではないんですよね。
逆張りは、反抗ではなく観察である
これは人を操作するための話ではありません。
相手の判断を奪うための話でもありません。
むしろ、
世の中が一つの方向へ向かっている時ほど、
「反対側には何が残されているのだろう」
と静かに考えてみる。
その姿勢の話です。
逆張りという言葉には少し強い響きがあります。
でも、本質は反抗ではありません。
観察です。
みんなが見落としているものを、丁寧に見つめること。
そこから新しい価値が生まれることがあります。
逆張りとは、ただ反対のことをすることではありません。みんなが見落としている価値を観察し、自社にとって意味のある選択を見つける姿勢です。
同じ流れに乗る前に、少し距離を取って考える
もし今、あなたの業界で、
誰もが同じ施策を始めているとしたら。
その流れに乗ることと、
あえて少し距離を取って考えてみること。
その二つを並べたとき、
あなたの会社にとって、本当に価値が生まれそうなのは、どちらでしょうか。
事業の伝わり方を、
毎朝少しずつ整える。
書人百花では、事業の言葉と導線を整えるヒントを、無料メールレターとしてお届けしています。
良い商品やサービスの価値を、必要な人に届く順番で伝えたい方は、まずは毎朝3分の読みものからご覧ください。
無料メールレターを受け取る

コメント