売上を伸ばしたいとき最初に見直すべきもの|休眠顧客と既存接点の活かし方

「もっと新規顧客を増やさないと。」

経営者の方とお話ししていると、この言葉を聞くことがよくあります。

もちろん、新しい出会いは事業にとって欠かせません。

目次

売上を伸ばしたいとき、最初に見直すべきもの

ですが、売上が伸び悩んでいる会社を見ていると、少し気になる共通点があります。

それは、「まだ出会えていない人」を探すことに意識が向きすぎて、「すでに出会っている人」の存在を見落としていることです。

実は、多くの会社の中には、まだ十分に活かされていない資産が眠っています。

新しい施策の前に、すでにある資産を見直す視点は、「頑張っているのに売上が伸びない会社が、最初に見直すべきもの」でも詳しく書いています。

それが、過去に接点を持った見込み客や、以前お取引があった休眠顧客です。

売上を伸ばしたいとき、最初に見るべきなのは新規顧客だけではありません。すでに出会っている見込み客や休眠顧客との関係に、次の売上の種が眠っていることがあります。

売上を伸ばしたいとき、本当に足りないものは何か

売上が伸びないとき、私たちはつい「足りないもの」を探しに行きます。

  • もっと広告を出した方がいいのではないか
  • もっとSNSを頑張るべきではないか
  • もっと新しい施策を試した方がいいのではないか

もちろん、それが必要な場面もあります。

ただ、その前に見直したいのが、すでに接点を持っている人たちとの関係です。

新しく出会うことだけが、売上を伸ばす方法ではありません。

すでに出会った人に、もう一度思い出してもらうこと。

その関係を育て直すこと。

そこにも、大きな可能性があります。

終わった関係だと決めつけていないか

少し考えてみてください。

  • 資料請求をしてくれた方
  • セミナーに参加してくれた方
  • お問い合わせをくださった方
  • 見積もりを依頼してくれた方
  • 以前は取引があったけれど、最近はご無沙汰になっているお客様

こうした方々を、私たちは意外と早い段階で「もうご縁はなかった」と判断してしまいます。

でも、本当にそうでしょうか。

そのときは予算がなかっただけかもしれません。

社内のタイミングが合わなかっただけかもしれません。

他の選択肢を試してみたかっただけかもしれません。

人の状況は変わります。

会社の課題も変わります。

三年前には必要なかったものが、今は必要になっていることも少なくありません。

ビジネスは、思っている以上に「タイミング」に左右されるものです。

顧客側の時間軸で「休眠」を捉え直す考え方は、「『休眠顧客』は、本当にもう見込みがない顧客なのか」で詳しく書いています。

一度購入に至らなかった人や、最近ご無沙汰のお客様を「終わった関係」と決めつけるのは早いかもしれません。人の状況も、会社の課題も、時間とともに変わります。

会社の中に眠っている資産

新規顧客を増やすことは、新しい井戸を掘るようなものです。

もちろん、それも大切です。

ただ、すぐ隣にまだ十分使われていない井戸があるなら、まずはそこを見直してみてもいいのではないでしょうか。

多くの会社には、過去の名刺、問い合わせ履歴、メールアドレス、商談記録が残っています。

けれど、それらは営業担当者のパソコンの中に眠ったままだったり、エクセルに入力されただけで使われていなかったりします。

せっかく集めた情報が、会社の資産として機能していない。

これは意外と見落とされがちですが、とても大きな機会損失です。

名刺や商談記録を「経営情報」として活かす方法は、「会社の成長が止まる原因は顧客リストにある?」で紹介しています。

関係性は育てることができる

過去に接点を持った方との関係は、終わるものではなく、育てていくことができます。

そして、そのために必要なのは、必ずしも「売り込み」ではありません。

  • 業界の最新情報を届ける
  • 役立つ資料を共有する
  • 成功事例を紹介する
  • 近況をうかがう

そんな小さなコミュニケーションを積み重ねていく。

すると、何か課題が生まれたときに、

「そういえば、あの会社があったな」

と思い出してもらえることがあります。

この「思い出してもらえる関係」は、派手ではありません。

すぐに成果が見えるものでもありません。

けれど、長く続いている会社ほど、この関係づくりをとても大切にしています。

関係性を育てることは、売り込みではありません。相手にとって役立つ接点を重ね、必要なタイミングで思い出してもらえる状態をつくることです。

すぐに結果を求めすぎていないか

少し乱暴な言い方をすると、私たちは種をまいた翌日に実を期待してしまうことがあります。

でも、農業はそうではありません。

土を整え、水をやり、時間をかけて育てるからこそ、大きな実になります。

ビジネスも同じなのかもしれません。

今すぐ成果が出る施策ばかりを追いかけていると、「いつか必要になるかもしれない人」との関係を育てる時間を失ってしまいます。

短期的な成果も大切です。

ただ、それだけでは、事業は少しずつ消耗していきます。

関係性を資産として捉える

これは人を操作するための話ではありません。

相手の判断を奪うための話でもありません。

一度接点を持った方との関係を、数字だけでなく「資産」として捉える。

そして、その関係を雑に扱わないこと。

強い会社ほど、この積み重ねをとても丁寧に行っています。

売上は、商品だけでつくられるものではありません。

これまで積み上げてきた信頼や記憶、そして関係性の総量によって生まれている側面もあります。

売上は、商品力だけで生まれるものではありません。これまで積み上げてきた信頼、記憶、関係性の総量が、次の選択につながることがあります。

売上を伸ばす前に、すでに出会った人を見直す

もし今、売上を伸ばしたいと考えているなら。

次の集客施策を考える前に、一度立ち止まってみてもいいかもしれません。

あなたの会社には、すでに出会っているのに、まだ十分に向き合えていない人はいないでしょうか。

そして、その方との関係をもう一度育てるとしたら、最初に届ける一通には、どんな言葉を書きますか。

For Business書人百花

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